カメリナオイルのメリット・デメリット、選び方、1日の摂取量、栄養素など

更新:

カメリナオイル

カメリナオイルはオメガ3系の脂肪酸をたっぷりと含みながら、これまでのオメガ3系含有油にありがちだった弱点をほとんどクリアできているという強みを持ちます。そんなカメリナオイルの選び方、メリット・デメリット、1日の摂取量などをQ&Aも交えて解説します。


[目次]

カメリナオイルってどんなオイル?

サラダを持つ女性

カメリナオイルとは、何から摂れる、どんなオイルなのでしょうか? まずはそれについてご説明しましょう!


カメリナオイルが注目されるようになった経過

さて、なぜカメリナオイルが、美容・健康オイルとして注目されるようになったのかというと、そのきっかけは意外なところにあります。

実は、カメリナオイルの原料であるカメリナサティバの種子は、かつてはカナダや欧米等で小鳥のエサとして使われていたのです。

そんな時代が続く中で、「この種子を食べた小鳥の羽毛の状態が、総じてツヤツヤで良い状態に仕上がる」という事実が見えてきました。

そして、「これは美容に効果があるのでは?」と考えられるようになり、本格的な研究が始まりました。その結果、「カメリナオイルの成分は、人間の美容にも大いに役立つ」ということが分かってきた、というわけです。

日本では今のところ、ごく最近になってカメリナオイルの輸入販売が始まったばかりですので、「美容や健康に詳しい人だけが知っている、まだまだマイナーなオイル」という位置づけですが、カナダや欧米などではすでに、カメリナオイルのさまざまなメリットが広く知られています。

カメリナオイルの色が、金色に近い黄色系であることから、セレブの間で「gold of pleasure(喜びの金)」などと呼ばれて、高い人気を得ていますよ。

カメリナオイルの原料

アマナズナ

カメリナオイルの原料は、アブラナ科のカメリナサティバ(和名:アマナズナ)という植物の種子。この種子をしぼって、油分を抽出したものがカメリナオイルとなります。

カメリーナ油・アマナズナ種子油などとも呼ばれていますよ。

ちなみに、カメリナサティバの和名である「アマナズナ」という名を聞くと、最近、健康オイルとして注目が高まっている亜麻仁油(アマニユ)の仲間なのかと思われるかもしれませんが、亜麻仁油の原料である亜麻は、アマ科の植物なので、植物の分類上は、まったくの別物と言えます。

カメリナオイル 唯一のデメリットとは?

えごま油や亜麻仁油など、オメガ3系脂肪酸を豊富に含む油は、「植物油にもかかわらず、まるで魚油のように生臭い感じの味とにおいがする」という欠点があります。

一方この、カメリナオイルに対しては「魚油のような生臭い味やにおい」を感じる心配は、ほとんどないと言えます。しかし…

ブロッコリーに似た青臭ささ?

さて次ににおいについてですが、これは「まったくの無臭」とは言えません。

「じゃあ、やっぱり生臭いにおいがするのか」と思われるかもしれませんが、そうではありません。

カメリナオイルには、ほんの少しだけ、ブロッコリーに似た青臭ささがあります。

ですから「ブロッコリーのにおいがどうしても無理」という人には、ちょっと厳しいかもしれませんね。

ですが、この青臭さも、食用油として精製する際にかなり軽減されていますので、ほとんどの人にとっては、気になるレベルではありません。また、わずかな青臭さの中にも、ナッツ系の風味が感じられるので、ただ青臭いだけのオイルとは全然違いますよ。

カメリナオイルの味は?

カメリナオイルの味は、生臭いものではなく、むしろ「ほのかにナッツ系の風味を感じるような、親しみやすい味」という大きなメリットがあります。

ですから料理との相性もかなりよく、炒め物などに使っても、素材の味をジャマするリスクがないのはもちろんのこと、「ノンオイルドレッシングとカメリナオイルをまぜてサラダにかける」というのもおいしいですよ。

「えごま油や亜麻仁油をサラダにかけて摂取しようとしたけど、生臭い味が気になって、やめてしまった」という人も、カメリナオイルなら、試してみる価値は大いにあると言えます!

カメリナオイルの栄養素(成分内容)は?

美容と健康に嬉しい作用がある、ということで欧米セレブの間で大人気のカメリナオイルですが、具体的に、どんな成分内容となっているのでしょうか?

ではさっそく、カメリナオイルの成分内容を見てみましょう。

まず、脂肪酸の構成については、

  • α-リノレン酸(オメガ3系):35〜42%
  • リノール酸(オメガ6系):16〜25%
  • オレイン酸(オメガ9系):12〜27%
  • ガドレイン酸:9〜17%
  • パルミチン酸:3〜8%
  • ステアリン酸:2〜3%

という感じになっています。

脂肪酸以外の成分としては、ビタミンE・β-カロテン・ポリフェノール・植物ステロールなどといった天然抗酸化成分も含まれていますよ。

カメリナオイルの成分は、ここがすごい!

女性

というわけでカメリナオイルの成分内容を挙げてみましたが「これを見るだけじゃ、何がすごいのか分からない」と思われるかもしれませんね。

さて、何がすごいのかというと、カメリナオイルは、脂肪酸のバランスが非常にすぐれているのです。

カメリナオイルに含まれる脂肪酸のうち、α-リノレン酸・リノール酸・オレイン酸は、常温で固まりにくく、体脂肪として蓄積されにくいというメリットを持つ「不飽和脂肪酸」に分類されます。この不飽和脂肪酸が、カメリナオイルの全脂肪酸の7〜9割を占めているんですよ。

さらに、不飽和脂肪酸のうち、オメガ3系とオメガ6系は、人間が体内で合成することができない「必須脂肪酸」に分類されますが、カメリナオイルはこの必須脂肪酸の割合がとても多いのです。

ちなみに必須脂肪酸のうち、オメガ6系については、ベニバナ油・コーン油・ひまわり油・大豆油・サラダ油など、日本人がよく調理に使う油にも豊富に含まれているので不足することはまずありません。

ですが、オメガ3系は、えごま油や亜麻仁油など、ごく限られた種類の油以外にはほとんど含まれていないので、ほとんどの日本人は圧倒的なオメガ3系不足という状況でした。

オメガ3系と6系をバランス良く含んでいるカメリナオイルが日本にもやってきたことによって、「これを調理等に使えば、両方の必須脂肪酸がバランスよく摂れる」という理想的な状況が作りやすくなった、というわけなのです。

カメリナオイル選びの重要なポイント

日本に流通しているカメリナオイル商品は、まだまだ種類が少なく、非常に選択肢も限られているのが現状ですが、その中から特にいいものを選ぶには、どうしたらいいでしょうか?

遮光性のある容器に入ったものを選ぼう

カメリナオイルは酸化しにくく常温保存できるという大きな強みを持っていますが、それでも、「紫外線に当てないようにする」という工夫は必要です。紫外線は、あらゆる油の酸化を急速に早めてしまうやっかいな存在。

ですからカメリナオイルも、紫外線を防ぐために、遮光性のある容器に入っていることは必須条件です。

カメリナオイルは日本ではまだまだ商品の選択肢が少ないので、海外から個人輸入などで購入しようと考える人も居ますが、その中には「透明のプラスチック容器に入っただけでまるで遮光性のないものが、平然と売られている」というケースも少なくありませんので、気をつけて下さいね。

さて、紫外線に対して高い遮光性のある容器とはどういう容器なのかというと、次の3通りです。

  • 茶色の瓶
  • 緑色の瓶
  • 黒くてまったく中身が見えないプラスチック容器

紫外線の通しにくさを考えると、おすすめ順としては、茶色の瓶=黒プラスチック容器>緑色の瓶、という感じになります。緑色の瓶は、UV-A波を少しだけ通してしまうので、茶色の瓶や黒プラスチック容器ほどにはおすすめできないのです。

遮光性のある容器と言えば、他にも「青色の瓶」を挙げる人も居ますが、実は青色の瓶は、UV-B波はほぼすべてカットできるものの、UV-A波はその大半を通してしまう、という大きな弱点を持っているので、おすすめできませんよ。

というわけで、カメリナオイルは、茶色の瓶または黒プラスチック容器に入っているものを選びましょう。

コールドプレス製法にこだわろう!

さて、カメリナオイルの選び方のコツとしてはもうひとつ、「必ず、コールドプレス製法(低温圧搾法)で作られたものを選ぶ」ということが大切です。

コールドプレス製法とは、原料であるカメリナサティバの種子に熱や溶剤を加えたりせず、「加熱せず、そのまま圧力をかけて種子を押しつぶしてしぼり出す」という製法です。

この製法は、オイルの成分が自然そのままの状態で残っているため、カメリナオイルの美容・健康作用を存分に得るためには、コールドプレス製法であることが必須なのです。

これに対して、加熱して圧搾する高温圧搾法では一部の成分が壊れてしまうリスクがありますし、溶剤を加えて油を抽出する溶媒抽出法は、溶剤そのものに健康リスクがあると言われています。

コールドプレス製法は、同じ量の原料を使っても、抽出できる油の量は高温圧搾法の3分の1程度、溶媒抽出法の5分の1程度となっており非常に少なく、手間とコストがかかります。

しかし、その手間とコストを覚悟の上で、良質なカメリナオイルを作ることにこだわっているメーカーこそ、本当に消費者のことを考えたメーカーであると言えるんですよ。

カメリナオイルの1日の摂取量など Q&A

調べごとをしている女性


カメリナオイルの1日の摂取量は?

カメリナオイルの1日の摂取量の目安

カメリナオイルの1日の摂取量は、成人の場合、ズバリ、小さじ1〜2杯前後ぐらいがおすすめです!

その理由として挙げられるのが、厚生労働省の、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」です。 これによると、オメガ3系の1日の摂取目安量は、以下のとおりとなっています。

  • 18〜29歳:
    男性2.0g・女性1.6g
  • 30〜49歳:
    男性2.0g・女性1.6g
  • 50〜64歳:
    男性2.2g・女性1.9g
  • 65〜74歳:
    男性2.2g・女性2.0g
  • 75歳以上:
    男性2.1g・女性1.8g
引用元:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

さて、この目安量は少々上回っても問題ありません。むしろ「不足する方がはるかに問題」と言える基準なのですが、やはり「多ければ多いほどいい」というわけではありません。

効果をしっかりと得つつ安全な範囲で毎日摂取する、という観点から考えると、3グラム程度までで抑えておくのがおすすめと言えるでしょう。

ちなみに、カメリナオイルのオメガ3(α-リノレン酸)含有率は、35〜42%程度。

油類は小さじ1杯が4g前後なので、カメリナオイル小さじ1杯あたりのオメガ3含有量を計算すると、1.4〜1.6g程度ということになります。

魚料理の日など、他にオメガ3を摂れるチャンスがある日なら、小さじ1杯ぐらい、あるいはそれよりちょっと少ないくらいの摂取でもOKです。

ですが、他にオメガ3を摂るチャンスがほとんどない日なら、小さじ2杯のカメリナオイルを摂取すれば、それだけで目安量を楽にクリアできるオメガ3が得られるのでおすすめ、というわけですね。

子どものカメリナオイル摂取量は?

2歳までなら、たとえ魚料理がない日でも、小さじ1杯よりちょっと少ない程度でOK。3〜11歳までは、魚料理がない日でも小さじ1杯程度でほぼOK。

ただし、男の子の場合、8〜11歳までの期間は、小さじ1杯のカメリナオイルの摂取のみだと、オメガ3系の目安量をごくわずかだけ下回りますので、小さじ1杯よりほんの少し足してもいいかもしれませんね。

そして12歳以降は、目安量が大人とほとんど変わらなくなりますので、大人と同じように摂取するのがおすすめです。